中国の公安にお世話になってしまった話。
かなりの長文です。
彼らを敵に回さない方が良いよってお話の記事。
ちなみに精神的にやられてて、この日一枚も写真撮ってませんでしたごめんなさい 。。。
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この日は前日の疲れがあり、ガンゼ行きのバスも昼過ぎ出発とのことだったので、お昼ギリギリまで部屋でダラダラすることに。
わたしはカメラの写真が万が一消えてしまうのが怖かったので、とりあえずパソコンに写真を取り込む事に。
Dちゃんはブログの更新をしてた。
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11:00頃、何故か宿の人が部屋に来てパスポートを見せるように言われる。
とりあえず言われるがままに用紙にパスポート情報を記入した後、日本の連絡先とサインを記入。
チェックイン時にすでにパスポート情報は提供していたので、この時は何かわからなかった。
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11:30くらいになって、そろそろ出る準備に取り掛かろうとした時、ドアをノックする音が。
開けると宿の人と、3人の男性。
部屋の中に入るから、すぐに出るように言われる。
最初は彼らが何者なのかわからず、我々のチェックアウトを待つ一般客とでも思っていた。
すぐに荷物をまとめてチェックアウトすると伝えても、今すぐに部屋に入ってもいいかと聞かれたので承諾。
彼らが公安だと気付くまで普通に荷造りをしていたけど、パスポートや部屋の様子、顔をビデオで撮影されているのを見てハッとし、一気に恐怖心に駆られた。
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パスポートチェックが終わるとまず最初に、何故色達に行ったのかと尋問。
とりあえずバスの乗り換えを間違えたと回答。
すると次は、何故バイクで危険を犯してまで色達に行ったのかと聞かれる。
誰にも言っていないはずなのに、バイクで向かったことさえもバレている。
色達のバスターミナルの窓口が密告したとしても、バイクのことは知らないはず。
路中のカメラで撮影されたか。
バイクのドライバーが密告したのか…
全てが謎。
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そしてとうとう、カメラを見せるように言われる。
DちゃんはiPhoneの写真だけだから(カメラは)無いと回答。
わたしは一眼を隠せるわけがないので、しぶしぶカメラを出す。
最悪な事に、さっきデータをパソコンに移した後『カメラ内のデータを消去』を選択したにも関わらず、電源を入れると鳥葬場の写真が。。。。
公安は真横にいるので、データを消すのもバレる。
もうどうしようもなく、カメラを渡す。
最初は中国以外の写真を見られていたけど、とうとうラルンガルの写真になると「ああ、やっぱりね」といった感じの反応で、これもビデオで撮影される。
そして予想通り、画像を消すようにとの指示。
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でも意外だったのは、画像全部ではなく公安が指示したものだけ消せばいいとの事。
画像をスライドしていって、削除するよう言われたのは、僧坊や寺院周辺が広範囲で写されている写真。
僧坊が無数に写っているものはNGだけど、僧坊集落を拡大して30棟くらい写したものはOK。
僧侶の写真は全く問題なく、あと全景を背景に記念撮影したものも消されなかった。
よくいる日本人の旅人だから配慮があるのか。
そしてパソコンはあるか聞かれたけど、怯えながらも無いと回答(バレたら最悪)。
結局荷物検査はなく、パソコンに移しておいたデータは無事。
データ移行&パソコン鞄にしまっておいてよかったあああ。゚(゚´Д`゚)゚。
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一方、Dちゃんはパソコンの中身をずっとチェックされてた。
この3年近くの海外生活&旅の日記から家計簿のデータまで全部チェック。
家計簿を何に使うのかって疑いをかけられる始末。
ただの旅費管理なのにね。
結局データを全部コピーされ、後日チェックされることに。
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なんと最悪なことに、このフォルダに銀行や各アカウントのパスワード・暗証番号もメモでいれていたみたいで、この後Dちゃんは全パスワードを変えるはめになってしまったのです。。。
最後に今後の旅程を聞かれて、「今回はこれで終わりだけど、このまま旅を続けて拘束された場合はただでは済ま無いからね」と言われた。
この後はカンゼに行くと伝えても問題なかったし、彼の言う「旅」の範囲がよくわからなかったけど、とりあえずバスにはギリギリ間に合った。
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公安が部屋を出ると、宿の人と3人でため息。
宿の人には迷惑を掛けた謝罪と、でも一切ここの情報は誰にも言っていないことを伝えた。
私たちはともかく、この件でこの宿が公安に目をつけられてしまったことが本当に申し訳ない。
私たちがチェックアウトした後も、公安は宿で事情聴取を続けていて、わたしたちの前にいた日本人のことも聞いていたみたい。
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宿の人に謝罪と感謝の気持ちを伝えて宿を後にし、カンゼ行きのバスを尋ねると、ちょうどバスが到着。
あと少し尋問が長かったら間に合わなかった!
危なかった〜〜〜
カンゼまでは3時間ほどなので、窓からの景色を楽しむ。
青い空と、黄色い花畑が広がる丘、6000m級の山脈が続く景色はとても綺麗だった。
カンゼに着いて、Dちゃんが事前にチェックしてくれてた宿を目指す。
宿情報が載っていたブログによると、バスターミナルを出て右にまっすぐ、約10分で公安があり、そこを曲がってすぐ。
なんと左と勘違いして、歩くこと20分以上、おかしいと思ってブログを確認して間違っていることに気付く。
そう言えばバスに乗っている時、街の入り口に公安が見えたのを思い出す。
そのまま来た道を引き返し、バス停まで20分、さらに反対方向へひたすら歩く。
しかし。
歩けども歩けども公安は見つからず。
バスだったから近く感じただけなのか、恐らく宿近くの公安とは別の公安だと判断。
カンゼの地図を見ると、バスターミナルが2つある事に気付く。
しかも街中。
さっき引き返した所よりも先。
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ただでさえ重いバックパックで疲れているのに、ここからさらに50分近くも歩けないし、街の上空が雨雲で覆われていたので、歩いて行くのは無謀と判断。
タクシーを捕まえてもう一つのバスターミナルまで。
バスターミナルに着くと、まさに公安が近くにあって、宿は近くにあるはず。
公安に聞くとすぐ通りの向かいに宿があって、宿に着いた瞬間に大雨が降り始めた。
間に合った〜
ダブルルームで一泊60元。Wi-Fi付き。
シャワー付きのはずだけど、何故かあるはずのシャワーヘッドが無くて、他の部屋のシャワーを使わせてもらう事に。
電気毛布付きだけど電源付かなかったり、洗面所も電気付かなかったり色々面倒くさかったけど、外国人禁止区域から少しでも離れたことと、やっとご飯が食べれる安心感でホッとした。
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もう17:00だったので、昼食兼夕飯。
宿の向かいの食堂でたらふく食べました。
疲れてお腹ペコペコだった( ´・ω・` )
元気を出すためにインスタントコーヒーとチョコレートを買って帰宅。
翌日のアチェンガルゴンパをどうするか考えていると、Dちゃんから相談が。
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成都でお世話になった、チベットに詳しく中国に長年住んでいる日本人の方に報告した結果、一刻も早くチベットを出て中国を出るべきだとの助言をもらったとのこと。
中国公安は本当に冗談が通じないし、こっちがどれだけ無実で正当な理由があっても聞いてもらえない。
これ以上目をつけられたら何をされるかわからない。
ルーフォで釈放されてカンゼに来れたのも、公安にただ泳がされているだけで、検問されたら即アウト。
検問のあるアチェンガルに行くなんてもっての他で、たとえ今は外国人OKだとしても、イエローカードを持っている状態で検問を通るなんて「逮捕して下さい」と言っているようなもの。
今までもこのような形で不当に拘束された日本人はたくさんいるとのこと。
カメラやパソコンのデータの内容によっては、ジャーナリストやスパイ扱いされて拘束された人もいるし、つい最近も、会社の地質調査で来た日本人が複数名拘留されたニュースもあったし。
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最初は危険だとはわかっていても、まだ東チベットの旅は始まったばかりで、後ろ髪を引かれる思い。
危険な状態にあるという実感がないのか、真っ当な助言があるにもかかわらず、アチェンガルに行くかを迷う2人。
でも結局、ここでの判断で全てが最悪な方向に転んで後悔するのは嫌だし、この不安な気持ちで旅を続けても楽しめないよねっていう結論に。
下手に拘束されてパソコンやらカメラやら全部没収されたら、ラルンガルのデータさえも吹っ飛ぶし。
家族にも迷惑かかり兼ねないってことで、潔く諦めることにした。
とりあえず、今日はここまで。
はぁ〜〜〜〜疲れた。。。
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