バックパッカーの間では、立ち入ることが極めて困難な、もはや幻の場所として有名な、世界最大の仏教学院、ラルンガルゴンパ。
結果から言うと、幸運にもラルンガルゴンパには行けました。
が、この後トラブルがあって、詳しい方法や宿情報はお世話になった人たちとの約束で紹介出来ません。
かなり迷惑をかけてしまい、これ以上ラルンガルゴンパ目当てに日本人が来てしまうと、警察とトラブルになってしまうのでm(_ _)m
まず初日は、康定から炉雀へバス移動。
バスからの景色が良かった。
とってもいい天気で、ずっと丘が続いていて、所々タルチョや仏塔が。
あと写真撮り損ねたけど(かなり後悔)、川沿いの岩や石全部がマニ石(マントラが書かれている石)になっている区間があって、シュールで感動した。
マニ石だけでなくブッダの絵やタルチョで埋め尽くされていて絶景。
あと、水力式のマニ車とか(水車みたいにマニ車が回せる=徳が積める)。
また行けるなら行きたい!!!
(後から調べたら、道孚(Dawu, Daofu)という村でした。)
炉雀に着いて、宿にチェックイン。
腹ごしらえしたらまずは市内観光。
丘の上にある寺院までお散歩へ٩( ´◡` )( ´◡` )۶
寺院に着く頃、丁度最後のお経が読み終わって、僧侶たちが帰宅する時間でした。
寺院からの眺めもなかなか🎵
帰りは僧坊の間を通りながら麓まで。
*
町に戻ったら、ラルンガルゴンパへどうにか行けないか情報収集。
結果、検問が閉じている早朝に、バイクで連れて行ってもらうことに。
片道2人で800元。
翌朝3:00に宿でピックアップをお願いしました。
夕飯やらシャワーやら情報収集やらで23:30に就寝。
からの2:30起床だったから最強に眠い😭
*
バイクは寒いからと宿の人がチュパ(チベット民族衣装の、厚手の上着)を貸してくれた。
さらに出発時に無事を祈って、お香を焚いてわたし達それぞれに煙を掛けてくれた。
優しい。
リュックを後ろにくくりつけ、わたしが真ん中、Dちゃんが後ろに乗車。
かなり狭い。
最初の1時間は平気だったけど、そこから未舗装の山道へ。
ただでさえ曲がりくねった道なのに、石や穴で凸凹で常に激しく揺れる。
上下の揺れと傾斜で常に前方に体重が掛かり、ドライバーが狭いから後ろに詰めるようにと煽ってくる。
いや、物理的に無理です😂
少しでもドライバーを押さないように、必死に足で踏ん張ってたから、足の筋肉の疲れがやばい。。
そして山道が始まった辺りから急激に寒くなった。
かなり着込んでいたけど、手と足先からどんどん冷えてくる。
本当はDちゃんが来ているチュパを伸ばして、2人羽織のようにするはずだったんだけど、チュパもそんな大きくないので、ほぼチュパ効果無し。
必死に風から手を守る。
1時間の山道が終わると、ドライバーがジェスチャーで、チュパで全身を隠すように言われる(この時は完全に2人羽織)。
Dちゃんは何も見えない状態、わたしは顔の辺りで服の裾を摘んで固定。
ただでさえ極寒で辛いのに、無理な姿勢で体への負担も限界。
小さな隙間から僅かな光と、検問らしき場所を通り抜けているのが見えた。
*
それから30分も走ると、少しずつ外が明るくなって、山川が見えるようになってきた。
そして漸く6:00頃、ラルンガルゴンパの入り口に到着。
本当にしんどかった。
こんなに辛い移動は初めて…
手足と口の痙攣が止まらなかった。
*
予想してはいたけど、ドライバーが帰りのガソリン代100元を要求してきた。
すでに800元払ってるし、それにガソリン代も含まれてるはずだから払いたくなかったけど、本当にラルンガルに来れたのと、早朝のドライブってことで支払い。
寒さでトイレに行きたくなったから、とりあえずトイレ。
そして全身凍えているので、食堂で朝食。
早朝だから、お粥と肉まんだけ売ってた。
*
体が温まったところでいよいよラルンガルゴンパの入り口へ。
門に早速『公安』の文字があってビビった。
誰もおらず、僧侶たちと同じように検問脇の駐車場を歩いて通る。
駐車場の先にも小さなゲートが見えて、僧侶たちが列を成してたから検問かと思ってめっちゃビビったけど、僧侶たちはバスを待っていただけで、問題なく抜けられた。
門を抜けてすぐ、大きな寺院とオレンジ色の僧坊が。
たくさんのチベタンがお祈りしてました。
現在のラルンガル内は、聞いていた通り工事の真っ最中。
多分中国政府が、観光地化に向けてホテルなどを建設しているんだと思う。
そこら中にクレーンや作業員がいて萎えた。
チベタンはどう思ってるんだろう。
山道をどんどん登っていくとその先に、写真でみたことのある真っ赤な僧坊と寺院が少しずつ見えてきた。
丘を越えると一気に真っ赤な僧坊に囲まれた世界に。
圧巻。
ラルンガル内のあらゆる場所からずっとお経が流れていて、何とも言えない不思議な感覚。
まずは階段を登ってビューポイントまで。
さすがに高度4,000mを超えていると一歩一歩がしんどい。
でも階段を登っていくほどラルンガルの全貌が見えてきて、振り向く度に「すごい!」って言ってた。
あとラルンガル内に入ってしまえば公安はいないって話だったけど、あちこちでパトカーとすれ違ってヒヤッとした。
中国人観光客がいてくれてるおかげでスルーしてもらえるけど。
ようやく尾根にたどり着くと、そこにはずっと見たかったラルンガルの全景が。
ここ最近ずっと、ラルンガルに失敗した人の情報ばかり聞いていたから「来れたら奇跡」くらいに思っていたけど、本当に来れてよかった。
神様仏様と、身の回りの人全てに感謝。
写真を撮っていると「日本人ですか?」と、大学を休学して世界一周中の男の子に出会う。
お互いここに辿り着けたことに感謝して、せっかくなので一緒に行動することに。
みんな早朝からの移動と山登りでお腹が減っていたので、ちょっと早いけど10:30頃にお昼。
世界一周のルートについてお喋り( ¨̮ )
ラルンガルの一番中心にある寺院は尼さんの寺院で、辺りで見る僧侶全員が女性。
ニーハオトイレも尼さんと一緒。
用を足しながら、トイレットペーパーの場所教えてくれた(笑)
こちらの寺院もお祈りする人でいっぱい。
境内の外からだったけど、お祈りする人を撮っていたら尼さんが「撮らないで」と。
ラルンガル内では観光客は歓迎されてない。
そりゃあそうだよね。
僧坊などの景色は構わないけれど、人の写真はかなり遠慮した方が良さそう。
カメラを構えると誰もが顔を隠したり、こちらを気にして見てくる。
お祈りの邪魔をしたり、不快な思いをさせてしまった人もいるから申し訳なかった。
*
まだ鳥葬まで時間があったので、男性の僧侶の寺院へ。
みんな本を読んで勉強したりお経を唱えたりしてました。
問答修行は見れなかったから残念!
*
12:00くらいに町の中心のバスストップに行き、鳥葬の場所まで行くタクシーを探すことに。
でも今は観光客が少ないせいもあってか、タクシーらしきものが一切来ない。
とりあえず近くにいる人に聞こうと思ったけど、誰も中国語が読めず、鳥葬ってチベタンで何ていうのかわからない…。
そこでDちゃんが絵で鳥葬を表現。
鳥のジェスチャーと、素晴らしい絵心によって一瞬で通じる。
絵は言葉の壁を越える。
交渉したところ往復で一人30元で行ってくれるとのこと。
3人で90元ならいっか〜。
鳥葬は14:00開始で、まだ時間に余裕があるはずなのに「よし急ごう!」みたいな感じでドライバーが車がある方へと引率。
車が実はラルンガルの入り口の門にあるなんて誰も予想してなかった。
30分くらい歩いた。
この時すでに入り口の検問にはたくさんの公安が。
バレたらやばいのと、ここで出たらもう戻れないかもしれない不安でちょっと立ち止まったけど、ドライバーに急ぐように煽られ、ヤケクソで公安の横を通ったけど問題なかった。
車で10分もしないうちに鳥葬の場所へ到着。
Dちゃんの鳥葬の絵、確かに伝わってた(笑)
まだ13:00なのに、鳥葬場の脇にはすでにたくさんの観光客が。
そして死骸を待つたくさんのハゲワシ。
空を見上げてもたくさんいて怖い。
まずは閻魔大王の口の中に入ってみることに。
なんと中には大量の骸骨が…(((( °_° ))))
広角レンズで撮ると迫力満点です。
ずっと前にどこかでこの写真を見た事があったけど、まさかここだったとは(꒪⌓꒪)
たくさんの死者に囲まれる中、お経を唱える僧侶やお祈りするチベタンも。
鳥葬場の周りには仏塔や、死者の髪の毛で覆われた巨大マニ車、骸骨や鳥・死者のオブジェなどがありました。
14:00開始と聞いていたけど、13:30近くにもなると物凄い量のハゲワシが一気に集まって来たので、鳥葬場の脇に急いで上がるとすぐに屍体が葬られ、早速大量のハゲワシで埋め尽くされた。
最初は群がるハゲワシで屍体が全く見えなかったけれど、時間が経つにつれ死者の内臓や肉の破片を咥えて帰るハゲワシが出てきて、最後にはほぼ骨と化した屍が。
背骨・アバラ・骨盤が、僅かに残る人肉で繋がっているのも見えた。
遠くからとは言え、かなり鮮明に見えるから苦手な人はダメかもしれない。
人間が動物の死骸のようにハゲワシに啄ばまれるのが、本当に不思議で、何とも言えない気持ちでずっと見てた。
仏教で唱えられているように、『あの世』に行ってからが人生で、魂が亡くなれば屍はただの『肉体』でしかないのかもしれない。
ラルンガルは毎日鳥葬があると聞いていたけど、この日だけでも4体。
大規模な分、たくさんの遺族や死者が、ここでの鳥葬を望んでいるのかな。
*
鳥葬を見終わってタクシーで麓まで戻ると、天気が崩れ始めた。
天気が良ければまたビューポイントまで行って写真を撮る予定だったけど、天気がイマイチな上に全員疲れていたので断念。
小腹が減ったので朝行った食堂で腹ごしらえ。
小籠包を頼んだら、まさかの朝食べた肉まんと一緒だった😂😂
もう16:30くらいだったので、ここで一緒にいた男の子とはお別れ٩( ´◡` )( ´◡` )۶
*
そして帰路。
これが大変だった。
宿の人の話だと、ラルンガルからルーフォ行きのシェアタクシーは簡単に捕まるはずだった。
でも誰に聞いても、今日はもうないから明日の朝まで待つように言われる。
何が何でも今日中に帰りたかったので、ポストカードの売店のお兄さん達に相談すると「色達までバスで行けば、そこからバスで帰れるよ」との事。
色達といえばラルンガルと同じく外国人立ち入り禁止で、公安がうじゃうじゃいる所。
かと言って、このままタクシーを探しても見つかるかわからなかったので、色達行きのバスを待つことに。
*
待つこと約30分、諦めかけた頃にバス到着。
これでやっと移動出来ると思ったけど、そのまま20分くらい乗客を待つために停車。
発車してからものんびり運転なので、色達に着いたのは17:45。
バスを降りてバス停まで歩き、窓口でルーフォ行きのバスを尋ねると、予想してはいたけどやっぱり明日までバスはないとの事…😑😑
タクシーはあるか尋ねても、無いとの一点張り。
選択肢は3つ。
①これから外国人を泊めてくれる色達の宿を探し回る
②頑張ってタクシーを探す
③開き直って公安に迷子だと伝え、ルーフォに送り出してもらう
悩んだ挙句、まずルーフォの宿に電話して相談することに。
Dちゃんが電話番号をちゃんとメモしてて、電話してくれました。゚(゚´Д`゚)゚。
宿の人が、ラルンガルにいるタクシーに電話して、色達に迎えに来てもらうことに。
2人で240元。
事前にDちゃんと、一人120-150元なら出すって話をしていたので即依頼。
20分もすると、同じくルーフォに帰る僧侶を助手席に乗せた車が到着。
これでやっと帰れると安心。
ドライバーも僧侶もフレンドリーで良かった!
ちなみにチベタンや僧侶が指に何やらストップウォッチのような物を付けているので、これが何か聞くと、お経を読んだりして徳を積んだ数を数えるためにしているんですって。
だからみんな色んな所でお経唱えて指クリックしまくってたのね。納得。
*
二人とも疲れてぐったり。
寝たかったけど、あのボコボコ山道は揺れが激しすぎて寝るどころか横にもなれなかった。
でも何故かDちゃんは爆睡。
どんなにバウンドしても起きず。ww
どこでも寝れるっていいよね。
後部座席から床に落ちても寝てました。
宿に着いた瞬間、宿の人にお礼と、心配かけたことを謝罪。
本当に感謝。
そして近くの食堂で夕ご飯。
ヘトヘトだったけど、それ以上にお腹ペコペコだった。
部屋に戻った瞬間寝る準備して、ベッドに倒れて就寝。
21時間ぶっ続けで行動して、全身だるくて眠さも限界。
本当に長い1日だった。。。
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